北九州市 時と風の博物館

日常の中で見過ごされがちな北九州市が誇るべき魅力や個性を、地域資源として私たち自身で編纂し、未来へ繋げましょう。

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『艪』についてもう少し詳しく

艪は東南アジアあたりから生まれその後中国に渡り日本に伝わったといいます
艪は4つのパーツに分かれています
1.艪腕
2.艪脚
3.艪受け・艪へそ
4.艪綱
2000年以上その原理や形状は変わっていません
その発展形として船のスクリューや飛行機の翼、ヨットやウインドサーフィンのセイルへと進化しています
どちらも片面が平らで反対側は楕円のふくらみを持っています
向かって来る空気の流れが平らなめんを通過するスピードと楕円部を通過するスピード差で飛行機なら上方面に揚力を発生させ浮き上がらせます
飛行機言う翼の役目をするのが艪脚で最近ではブレードとも呼ばれます
艪の場合平らな面が上、ふくらみ面が水底を向き、揚力は水底に方向に働きます
そうすると船はブレードの揚力により浮き上がろうとします
その浮き上がりを艪綱で相殺し前方へと推進力を発生されます
大変興味深い原理だと思い遠賀川の大会で使ってみようと思いました
作るのは大変だからと思い製作所をネットで調べると全国に2か所しかありません
値段はびっくり・・・17万円もします
遊びでそんなにはかけられないと言う事で自分で作る事にしました
面白い事にこの製作所では自衛隊に納品してるとのとです
河川を渡る訓練に使うそうです
また昨今は村上水軍レースや清水港の8丁漕ぎ(8本の艪を使う)レース・観光用など意外にも全国で多くつかわれています
余談ですが八丁櫓は徳川家康が唯一認めたかつお漁の大型船です
まぁ~早い話は自分の船より早いのはけしからんと言う事です
江戸時代日本近海で難破したロシア船を助け、日本で修理し帰国しクルミヤ戦争では向かい風の中静かに相手陣営に攻め込み勝利したと言われています
この時、優秀な船大工を集め近代西洋船の技術を学んで造船日本の基礎を築いたそうです
艪1本で様々な歴史やエピソードがあるのでとても興味深い道具です