北九州市 時と風の博物館

日常の中で見過ごされがちな北九州市が誇るべき魅力や個性を、地域資源として私たち自身で編纂し、未来へ繋げましょう。

現在の登録件数

4060

三宜楼(さんきろう)

夏の接近とともに、
まちの景色も
昼から夜へ、お色直しをする時間に変化が生じ、
日の入時間が延びつつあることを感じてしまいます。
そんななか、
夕暮れどきの門司港を歩いていると、
瑠璃色の空の下、
家路に帰る元気な子ども達の声が
響き渡っていて、
少し路地に入ったところでは、
あじさいの花がしっとりと咲いていました。
港に近いその路地で、
一瞬、目を閉じて、息を吸い込むと、
あまい香りと、
うっすらと、しおの香りが届いてきました・・。
たそがれの時間に、
初夏の港まちを歩き、
ゆるやかな坂の上をふと見ると、
港の繁栄を象徴する建物に
明りが灯っていて、
急に、路に迷い込んだような錯覚と、
遠くから三味線の音が聞こえてくるような
不思議な思い違いをしてしまいました・・。