北九州市 時と風の博物館

日常の中で見過ごされがちな北九州市が誇るべき魅力や個性を、地域資源として私たち自身で編纂し、未来へ繋げましょう。

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仙凡荘に咲く梅

3月に入り、このまちにも河津桜が咲き始め、
新しい季節の接近を少しずつ実感するこの頃、
休日の朝から自転車をこいで、“桜見”を終えた後、
桜の開花が進むということは、梅の花が散る時期・・?
といった疑問が生じ、
先月から1か月間に渡って、鑑賞を楽しませてくれた
梅の花のことが、やや、気になりはじめました。
そういえば、梅の名所として知られる若松区の仙凡荘。
あの場所の梅の花、まだ咲いているのかなぁ・・。
見納めの時期が近づいているかもしれないので、
そのまま自転車で行くことに決め、こぎ続けました。
途中、お天気が変化し、小雨や風を受けながらも、
門司区から西へと進んでいくと、小倉北区、戸畑区に入り、
まるで、マラソンコースを反対に進むような気分・・。
違いは、沿道に応援する方々がいないこと。
あの時、
途切れなく沿道から声援をくださる方々のおかげで、
どれほど、元気と勇気をいただいたことか・・、
ランナーよりも沿道に立ち続けるほうがきっと寒いはず、
その過酷な環境で、応援の手を差し伸べてくださったこと、
そんな方々とのハイタッチやロータッチ、
それらは、想像を絶するもので、この上なき底力でした。
そんな思いを頭に巡らせながら、いつの間にか、
渡船に自転車を積み、強い風と波しぶきをカラダにあびて、
洞海湾を渡り、坂道、山道で自転車を押しながら、
ついに、仙凡荘に到着しました。
そこには、
たくさんの梅の木に咲いている花の姿がありましたが、
その一方で、
風に運ばれ、“ちらり”、“ちらり”と、
舞い踊るように散ってゆき、
足元に、無数の広がりを見せる
花びらたちの華麗なる“有終の美”に、
目が、くぎづけになりました。