北九州市 時と風の博物館

日常の中で見過ごされがちな北九州市が誇るべき魅力や個性を、地域資源として私たち自身で編纂し、未来へ繋げましょう。

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青い鏡と赤い眼鏡

近代化産業遺産と呼ばれるものが数多く存在する北九州市の中でも、私のイチオシが河内貯水池にかかる、南河内橋(通称めがね橋)です。
レンズ形に鋼材を組み合わせた橋長132.97m、径間66m、幅員4.1mのレンティキュラー・トラス(レンズ型トラス橋)で、この形式の橋は日本では3例建設されたようですが、残存するのはこの南河内橋のみです。
完全に対称な2つの橋がつながって、S字状の優雅な曲線を湖面に描き出しているさまは、まるで青い鏡に赤い眼鏡をかけたよう。橋と対峙していると、誰かから何かを問われているような気持ちになります。
「80年以上も昔にこの橋を造り、日本の近代化を支えた人たちの声が聴こえるか?」
「この橋をずっと守ってきた人たちの声が聴こえるか?」
「純粋にこの橋の美しさに魅せられた人たちの声が聴こえるか?」
景観の美しさはもちろん、このまちに生きてきた人たちの日々の営みに思いを馳せることができるこの場所は、「よし!明日も頑張ろう!」と私に気合を入れてくれる、パワースポットなのです。