北九州市 時と風の博物館

日常の中で見過ごされがちな北九州市が誇るべき魅力や個性を、地域資源として私たち自身で編纂し、未来へ繋げましょう。

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小森江駅

うろこ雲と、たなびく雲が、
高い空を流れていた日に、
海が見える小さな駅のホームに立って
傾く太陽を眺めることにしました。
以前、夕暮れ時の電車の車窓から
海沿いの道路をひっきりなしに走る車や、
大きなレンガ倉庫群とその前に広がる花壇と、
山側に立つ白い灯台を見て、
降りてみたいとずっと気になっていた駅で・・、
涼しげな風に包まれたら、
気持ちがよさそうだと思ったからです。
最近、ずっと太陽のお顔を見ることができて、
こころもち、元気が出てきたことが
影響しているのかもしれません。
小さな改札口を抜けようとすると
“こんにちは”、“おつかれさまです”と、
駅長さんが、降りた方へ
元気なあいさつを投げかけていました。
全ての乗客が改札を抜けると、
ほうきを持ち出した駅長さんは、駅前の掃除を始めました。
ほかに駅員さんはいない模様です。
ひとりでけっこう忙しいかも・・。
そんな駅長さんこそ、“おつかれさまです”
改札を出た乗客は、
駅前駐車場に止めた車に乗り込む方や、
そのまま、歩いて立ち去る方、
わずかな時間の経過とともに、
皆どこかに散ってゆきました。
誰もいなくなった小さな駅のホームには、
涼しげな風が吹き抜けていました・・。