北九州市 時と風の博物館

日常の中で見過ごされがちな北九州市が誇るべき魅力や個性を、地域資源として私たち自身で編纂し、未来へ繋げましょう。

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看板やのぼりがおしゃれなんです

小倉の匠~藍を染めて半世紀~

砂を貼り付けた字の上を染めていきます
これは暖簾だそうです。縦に製作し、裁断するそうです。2003年のお写真です。
魚町二丁目にある14代続く花屋旗幕店。
手染め専門旗幕店と表にありますが、どのようなお仕事なのでしょうか。
今回は、こちらの染師 野村嘉裕さんをご紹介いたします。
お伺いした時は、お仕事の真っ最中でした。
苅田にある神社の旗の製作中です。
端から藍色の染料を勢いよく染めていきます。
旗には、特殊のりで文字が書かれ、文字の上には
染料がつかないように砂が貼り付けられています。
この砂は、特殊な砂ですか?と尋ねました。
「砂は海の砂だけど、きめが細かくないといかん。
豊前の青砂をもってきてるんよ。砂をのせとかんと
のりが乾いたときに布がそってしまうんよ」と野村さん。
一連の作業を簡単に説明してくださいました。
素材に字を書きのりを塗る→砂を貼り付ける→乾かす
→染める→乾かす→色止め剤を塗る→乾かす
→熱湯で洗い流す→乾かす
と多くの工程をお一人でされ、暖簾などの場合は、
裁断、縫製までされて納品されるそうです。
過去帖というものを見せてくださいました。
(過去帖とは、その家の有縁の故人を記し、
永続的に残され、その家の系譜になるもの)
創業400年と言われていましたので、
江戸時代です。過去帖に残されている年号も宝永(1704年)
享保(1716年)などが続きます。
家業の旗幕店を継いで48年。
「父親が10歳のときに亡くなって、それから
母親が店をやっていて、ずっと手伝ってた。
忙しいときは、学校休んだりして、昔だから
それが嬉しかったりしてね。17歳の時に、
八幡に修行に行って、辛かったね。
修行は教えてもらうというより、
”手まね、見まね、聞きまね”でね、
自分で真似て覚えるんだ。あと2年で仕事を
始めて50年になる。あと2年は頑張ろうと
思っているよ」とおっしゃっていました。
日々お仕事をする時に思うことがあれば教えてください。
と尋ねました。
「お客さんに満足してもらえるようにきちんと
仕事をすることかな」と飾らない言葉が返ってきました。
半世紀も一つの仕事を
されてる方のシンプルな言葉、ステキです☆
まだまだ頑張ってほしいですね。
小倉には、こんなすばらしい匠がいます。
小倉っていいところでしょ。